プレキャスト・プレストレストコンクリート(PCa・PC)工法
PCa・PC工法とは?
工場で製作された柱・梁などのプレキャスト部材を、プレストレスにより一体化し建築物を構築する工法です。
柱梁接合部を場所打ちコンクリートで施工する場合や、柱を鉄筋コンクリート造にするなど、敷地や工期・コストなどの条件により様々なバリエーションがあります。
工法概念図
PCaスラブ(合成床版)
工法の特長
プレキャスト・プレストレストコンクリート工法は、プレストレストコンクリートの特長とプレキャストコンクリートの特長の両方を兼ね備えた工法です。
プレストレストコンクリートの特長
- 倉庫などの高荷重建物や大スパン構造が可能です。
- ひび割れやたわみを制御するため、高品質が実現できます。
- 鉄筋コンクリート造に比べ梁断面を小さくできます。
- 高強度コンクリートを使用するため、耐久性に優れます。
- 大地震後の残留変形が小さく、復元性に優れます。
プレキャストコンクリートの特長
- 品質管理の行き届いた工場で製作するため、品質が均一で精度の高い、安定した部材の供給が可能です。
- 現場では組み立てることが中心となるため、熟練工不足にも対応できます。
- 工期の短縮が図れます。
免震工法との組合せ
プレストレストコンクリート構造は、一般的な鉄筋コンクリート構造に比べ、地震エネルギー消費は少ないが、残留変形が著しく小さい構造です。そのため地震エネルギーを免震装置で消費する免震構造との組合せは、とても相性が良い組合せといえます。
また大スパン構造とすることにより、柱の本数が減り、免震装置の数も減少するため、経済的にも有利になります。さらに低層でも高軸力が得られ、安定した履歴性能を得ることができます。
柱の数、免震装置の数の減少
低層建物での施工例
施工手順
プレキャスト・プレストレストコンクリート工法の施工は、プレキャスト部材製作図の作成、鋼製型枠の製作、プレキャスト部材製作、部材建方の一連の流れで工事は進んでいきます。現場での建方開始前に部材を製作するため、建方前の工程が重要となります。
工程の一例