PCa・PCってなに?
PCaってなに?
PCa(プレキャスト鉄筋コンクリート)工法
「PCa(Precast Concrete)工法」の略で、建物の基本となる部材を最新設備の整った工場で製造した後、現場へ持ち込み躯体を組み立てる工業化工法です。
PCa工法の良いところ
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工期の短縮
現場での型枠組立作業の減少、工程の簡略化により工期の短縮が図れます。
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高品質化
品質管理の行き届いた工場で制作することにより、品質が均一で精度の高い、安定した部材の供給が可能となります。また、高強度のコンクリートを使用する事で、耐久性や耐震性にも優れた構造物となります。
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省労務化
工場生産する事で現場で行う作業が少なくなり、また反復作業のため、熟練工でなくとも作業効率の向上に期待できます。それと同時に、高所作業が減ることで作業の安全度も向上し、現場労務の削減が可能となるため、サイクル工程における労務の平準化も見込めます。
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省資源化
PCa工法の型枠は鋼製型枠であり、ラワンを原木とした木製型枠を使用しないため、南洋材(熱帯雨林)を木材資源として保存する事が出来ます。また、使用した鋼製型枠はリサイクルが可能で、廃棄物の削減が出来ます。
PCってなに?
PCとは Prestressed Concrete(プレストレスト コンクリート)の略称で、Pre(プレ)前もって、stress(負荷)をかけるという意味から、直訳すると「あらかじめ応力を与えられたコンクリート」となります。PCの技術を用いることによって、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い。)を克服することができます。
コンクリートの性質
無筋コンクリート
無筋コンクリートは引っ張る力にめっぽう弱く、引っ張りに耐えられる力は圧縮に耐えられる力の1/10程度しかありません。そのため、大きな引っ張る力が作用した場合、破壊してしまいます。
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリートはひび割れやすい部分を鉄筋で補強しているため、大きな引っ張る力が作用しても鉄筋が抵抗し、破壊に至ることはありませんが、コンクリートへのひび割れの発生を完全に防ぐことはできません。
PC(プレストレストコンクリート)は強い
コンクリートに「プレストレス」を導入するには、鉄筋の5~6倍の強度を持っている「PC鋼材」と呼ばれる高強度の材料を使います。プレストレストコンクリートをつくるためには、PC鋼材を引っ張って(この作業を「緊張」といいます)、張力を与えた後にコンクリートと固定します。緊張により伸ばされたPC鋼材が元に戻ろうとする(縮もうとする)性質を利用し、コンクリートに圧縮力(ストレス)を与えます。 プレストレスの導入方法は、「プレテンション方式」と「ポストテンション方式」に大別することができます。これは、PC鋼材をコンクリートの打設前(プレ)に緊張するか、打設後(ポスト)に緊張するかの違いによります。
プレストレスの与え方
プレストレスの与え方には、プレテンション方式とポストテンション方式の2つがあります。
プレテンション方式のストレス導入方法
プレテンション方式とは、設備のあるPC工場でのみ製作が可能なもので、PC鋼材をあらかじめ所定の力・位置に緊張しておき、これにコンクリートを打込み、硬化した後に緊張力を解放してプレストレスを与える方式です。したがって緊張力は鋼材とコンクリートの付着力で保持され、PC定着具(後ほど記載のポストテンション方式をご参照ください)と呼ばれるものは一切使いません。つまり、プレテンション方式は設備の関係で製作場所が限定されることから、部材は運搬上の制約を受け、比較的小型で大量に製造されるプレキャスト部材と呼ばれるものに適用されるケースが多いです。
①PC鋼材の緊張
②コンクリートの打設・養生
③プレストレスの導入
ポストテンション方式
ポストテンション方式とは、コンクリート部材が硬化した後に、その内部に設けられたダクト(シースと呼ばれます)に配置されたPC鋼材を緊張するもので、緊張力の保持はPC定着具を使って行われます。したがってポストテンション方式はプレキャスト部材のみならず、工事現場で打設する構造物にも容易に適用でき、その上緊張力の大きさも幅広く選定できる特徴を持っています。